「なんとなく不調」を東洋医学的に見てみよう!
現代社会では、明確な病名がつかないものの、疲れやすさ、冷え、イライラ、睡眠の質の低下など、さまざまな「なんとなく不調」を感じる方が増えています。
東洋医学では、これらの不調を「未病(みびょう)」と捉え、身体全体のバランスの乱れやエネルギーの滞りが原因と考えます。
以下に、東洋医学の観点から見た「なんとなく不調」の主なタイプと、その特徴をご紹介します。
1. 肝の気が鬱結(うっけつ)する症状
肝は、気や血の流れをスムーズに保つ役割を担っています。
ストレスや感情の抑圧により、肝の気が滞ると、以下のような症状が現れることがあります。
- イライラや怒りっぽさ
- ため息が多くなる
- 胸や脇の張り
- 目の疲れやかすみ
特に春は肝の気が高ぶりやすく、これらの症状が出やすい季節とされています。
2. 脾の機能低下による症状
脾は、消化吸収や水分代謝を司る臓器です。
過労や不規則な食生活により脾の機能が低下すると、以下のような症状が見られることがあります。
- 食欲不振
- 腹部の膨満感
- 下痢や軟便
- 手足のだるさ
湿気の多い季節や、甘いものの摂りすぎも脾に負担をかける要因となります。
3. 心と腎のバランスが乱れた症状
心は精神活動を、腎は生命エネルギーを司ります。
過度の精神的ストレスや肉体的疲労により、心と腎のバランスが崩れると、以下のような症状が現れることがあります。
- 不眠や浅い眠り
- 動悸
- 耳鳴り
- 腰や膝のだるさ
特に、夜更かしや過労は腎のエネルギーを消耗させるため、注意が必要です。
4. 肺の機能低下による症状
肺は、呼吸や免疫機能を担う臓器です。
乾燥や冷え、過労により肺の機能が低下すると、以下のような症状が見られることがあります。
- 咳や痰
- 鼻水や鼻づまり
- 皮膚の乾燥
- 風邪をひきやすい
特に秋は乾燥の季節であり、肺のケアが重要となります。
5. 気血の不足による症状
気は生命エネルギー、血は栄養を運ぶ役割を持ちます。
これらが不足すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 疲れやすい
- 顔色が青白い
- めまいや立ちくらみ
- 動悸
栄養バランスの良い食事や十分な休息が、気血を補うために重要です。
6. 陰陽のバランスが崩れた症状
東洋医学では、陰と陽のバランスが健康の鍵とされています。
このバランスが崩れると、以下のような症状が見られることがあります。
- ほてりやのぼせ
- 冷え
- 発汗異常
- 睡眠障害
生活リズムの見直しや、季節に応じた養生がバランスの回復に役立ちます。
まとめ
「なんとなく不調」は、身体からの大切なサインです。
東洋医学では、これらの不調を全体のバランスの乱れと捉え、体質や生活習慣を見直すことで改善を図ります。
当院では、個々の体質や症状に合わせたカウンセリングを行っております。
「なんとなく不調」を感じたら、お気軽にご相談ください。